カジノって

ところどころでパチンコ批判を目にする。 また、友人にもパチンコ批判をする者がいる(彼自身が打つにも関わらず…)。

個人的にはギャンブルは無くならないと思うので、表に見える範囲で行うのが良いという考えだ。
さらに、サービス産業の発展は必要と考えている。
そんなことから、カジノの合法化には賛成の意見であった。




図書館でふと目に入った新書が「カジノ解禁が日本を亡ぼす」

カジノ解禁が日本を亡ぼす(祥伝社新書255)

カジノ解禁が日本を亡ぼす(祥伝社新書255)

そこでサラッと読んでみた。

文体は平易だし、書いている内容も専門的なことは少ない。 非常に読みやすい。
加えて、インタビューした人数が7人だとか実体験を基に書いていたりと、科学的というより印象論が強い感じがした。
そんなこともあってか、しっかり批判されている。http://casinopachinko.blog58.fc2.com/blog-entry-62.html



で、私の印象だが「良いんじゃね」という感じ。
筆者の一番の主張は「ギャンプルは良くない」ということと「カジノ誘致によって街の雰囲気が壊れる」
という2点が大きいようだ。
そして読後は、それに同意できるような気になったから「良いんじゃね」という印象になるのだ。


確かに細かいミスはあるようだし、どうも全体的に感情論が強い感は否めない。
経済的な効果についての批判も、根拠が「放射能汚染の問題があり、外国人観光客が減少傾向の日本では期待できない」
 とか「放射線問題を抱える日本ではマカオや香港には勝てない」とだけで、あまりに脆弱。


が、ギャンブルの危険性への危機感や、
カジノ立地による街全体や人々の雰囲気の変貌に関する個人的な印象などは、大いに参考になると思うのだ。
そこには、合理的な説明や統計データだけでは説明のできない価値があるように思うからだ。
そして、その価値の提示に筆者はある程度成功しているように思う。
ギャンブルやカジノといった業界の知識がまったくない私のような人間には、少なくともそう感じられた。


例えば、街並や景観、芸術といったものの価値は合理的な説明がつけ辛い。
しかし、それぞれの中に価値を見いだすことができるのが文化的人間だろう。

人間はそもそも不合理な存在だ。 どれだけ論理的に正しかろうと、受け入れられないものはある。
一方で物事を進める時には合理的な判断を行う方が効率が良い。
そのため近代化を遂げた現在、社会の至る所で合理的な行動・思考が求められる。

そのギャップを埋めるのが文化的姿勢だ。 
そしてそのような姿勢を獲得した生き方を目指す国の方が良いと、私は考える。
そんな私には響くものがあった本である。



さて、もう少しカジノについて学ばねば…