西尾維新の文学

 凡人は天才に憧れる。 と同時に天才像というものを創る。
 
 天才なる画家とは?
 天才的料理家とは?
 天才的頭脳を持つものの人格は?
 超能力者には世界がどのように見える?

 
 我々は夢想する。 自分の見てきた、感じてきた世界の情報からストーリを紡ぐのだ。

 
 圧倒的な頭脳を持つものの引きこもりで、一人でその存在が完結している少女がいたら。
 その少女の唯一の友人があなたであったら。


 未来も過去も見通せる超能力者がいたら。 彼女は幸せだろうか。
 自分が死ぬ時も、嫌なことも分ってしまうが、それを止める術はない。


 一つの能力に圧倒的な才能を持っていても、他が普通であったなら、
 その人は劣等感を感じずにおれるのだろうか。


 
 例えあなた自身が「普通の人間」だったとしても、それは不幸なことだろうか。 無価値なことだろうか。

 人はその価値観でその人自身の価値が判断されるべきだろうか。 それとも能力だろうか。


 そんなことを少しは考えさせてくれるかな。  
 やる気は出るかも…

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)